2019-02-21

何者にもなれなかった父

「年上の男性にそんな愚痴を吐かれるシチュエーション」が思い浮かばないという指摘に

「だよねー」と思いつつ想像してみたらすぐ思い当たった。うちの父だ。

から毀誉褒貶ありつつも常に「何者か」だった母にくらべ

影が薄いけど、ひょうきんな恐妻家って感じでみんなに好かれてた。

でも娘の前では弱音とか愚痴とか吐き出したい秘密とかを口にする人だった。

「墓まで持ってってくれ」と言いたくなるような話も聞いた。

私が本を読んでいると「読むばっかりじゃなくてそろそろ自分で書いてみたらどうか」と言われた。

(私が読むのが小説以外の本だったことに気づいてなかった。でも本を読む楽しさを最初に教えてくれたのは父だった)

本当は自分作家とか何かになりたかったんだと思う。

病気死ぬ直前に妙にかっこつけはじめて色々面倒臭かった。医者喧嘩売ったり自殺してみせようとしたり。

(↑病気を受け入れられなかった)

葬式ではブルースを流してくれ。遺灰は海にまいてくれ」と言い残して死んだ。

生前ブルースなんて聞いてなかったし、そもそも音楽CD1枚も持ってないし、

海に行って何かしたこともないし、どこの海の話をしてんのかも分からなかった。沖?磯?

なのでどちらも実行してあげられませんでした。

からみんな遺言書ちゃんと書いておこうね。

土壇場の虫の息だと、細かい打ち合わせができないからね。

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