2018-05-29

anond:20180529134817

もともとは単に「1 条件に満足する=同意する・和解する」という意味だったのだろう。

日本書紀にもそう書いてある。

そこからの変化は、

「2 本来は満足すべきではないかもしれないが、自分は本当に満足している」(例・清貧に甘んじる)

「3 本来は満足すべきでないのに、満足してしまっている」(例・下位に甘んじる)

「4 本来は満足すべきではないが、やむをえず同意する」(例・薄給に甘んじる)

といったところだろうか。

「1」の用法消滅したが、「2」「3」「4」はそれぞれ今でも使われていると思う。

ちなみにいつごろから使われているのか。

以下の用例は14世紀成立の太平記が出典だが、

却て悲しむらくは、公のただ古人の糟粕を甘なつて、空しく一生を区々の中に誤る事を

(むしろ悲しむべきは、昔の人が残した言葉を知るだけで満足し、細かいことにこだわって人生を誤ることだ)

この「甘なつて=甘んじて」は「3」の用法であろう。

歴史の早い段階でネガティブ意味合いを含んでいたことが窺える。

さて、日大の回答については「2」の用法と思われる。

から「やむをえず受け入れるという意味ではない」という擁護は正しい。

ただし「厳しい批判本来は受け入れられないもの」と受け取られかねないとは思う。

違和感はむしろこちらにあるのだろう。

記事への反応 -
  • 個人的にはどうしても「しかたない」感、「ちっ、うっせーな」感が出てるように読めるんだけど、本当に「快く受け入れる」という意味でいいの? 辞書に「本来は」って書いてある...

    • もともとは単に「1 条件に満足する=同意する・和解する」という意味だったのだろう。日本書紀にもそう書いてある。 そこからの変化は、 「2 本来は満足すべきではないかもしれない...

    • イヤイヤ、仕方無く、とは思わないが、妥協してる、譲っている、という意味はあるだろう 日大も言いたいことはあるが、これ以上反論はせずに、批判を受け入れる と

    • 辞書が絶対と思ってる奴と 自分の感覚が絶対と思ってる奴 どっちがやばいんでしょうねえ

    • 「そのまま受け入れる」ってのが一番根っこなんじゃないだろうか。動詞の主語の態度については規定されていないから、文脈によってネガティブにもポジティブにも取れるんだと思う ...

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