当たり前だけど、自分と比較する他者が近くにいないとマウンティングはできない。しかし、マウンティングをする者は嫌われ人が去っていく。そこで生かさず殺さず、マウンティングと世間体のために友人などを保有する必要が出てくる。周囲を見渡すと、マウンティング中毒者はこの、他人を生かさず殺さずつなぎとめておくための苦労を日常的にやっているように思う。
まずコミュニティ内で格下と思われる人全員に総当たりでマウンティングする。逆に格上には仲間に入れてもらえるようご挨拶をしておく。ファースト・マウンティングで去ってしまう獲物は追いかけない。ヘラヘラしている獲物を品定めし、ちょっとした贈り物をしたり、親身に話を聞いているフリをして親密な、しかし私のほうが一段階しっかりしているというポジションを得る。あとはマウンティングと獲物のご機嫌取りを繰り返すだけである。彼ら、彼女らはこういった行動をほぼ無意識のうちにやっている。彼ら・彼女らのように、他者依存型で生存してきたものはとにかくターゲティングがうまく、感心すらしてしまう。