北斗の拳の名前の出てくるような敵って、基本的にみんな強いし、
ケンシロウに1対1で戦っても勝てると思ってて、実際一人で襲ってくるんだよね。組織のボスだったりするのに。
でもジャッカルってそうじゃなくて、もう出会った時から戦ったら負けると判ってんの。
大勢の手下を従えてるけど、1対1どころか全員でかかっても負けると判断してて、戦う前から徹底して逃げてんの。
あれは凄いね。
結局、ケンシロウの留守を狙ったのが仇となってブチ切れたケンシロウに追い詰められて死ぬわけだけど、
追われ始めてからでも、逃げ切れなくなるまでは反撃とか全く考えずにとにかく逃げる。
まあ、部下たちも彼と似たタイプだったらしくて、「ケンシロウと戦うよりはボスであるジャッカルを殺したほうがマシ」という至極もっともだが北斗の拳では珍しい考え方をして、組織が内紛で壊滅したわけだが、
ケンシロウがどうやったのか判らん理不尽な追いつき方をしなければ、彼は逃亡に成功していただろう。
悪役がみんなジャッカルのように逃げまくってたらそれはそれで盛り上がらないだろうけど、
自分の力を過信しなかったジャッカルは、変なスーパー拳法がはびこってなければ世紀末覇者となってもおかしくない才覚の持ち主だったと言えるだろう。
※なお、あべしのボクサーのようにケンシロウの強さを知らずにかかってきた例外を除けば、
ケンシロウと戦闘の意思を見せ、敗色濃厚になってからもジャッカルの居場所を吐こうとしなかったフォックスは、あの組織の中では珍しく勇敢で忠誠心も厚かった男と言えるだろう。さすが右腕。