2017-06-20

木村拓哉は嫌われない

コンコン

木村「失礼します」

男「(窓の外を眺めながら)ん、暑い今日も、

そろそろ夏かな、ユー、サーフィンしてるの?最近

木「話とは」

男「ああ、うん、ユーさ」

    「事故っちゃいなよ」

木「…は?」

男「事故っちゃいなよ」

木「いや…ちょ待

男「待たない。ユー、ここに残るからには、

今のイメージのままいちゃだめ。わかる?

木村拓哉世間の敵にしてはならない。演じなさい。

グループのみんなが心配で、気がかりで、

気もそぞろで事故を起こすような人間味あふれる

国民的人気者を。」

木「…」

男「…タクヤ。ユーには言ってないの。

木村拓哉”に言ってるの。わかる?アンダスタン?

木村拓哉”ならこんな時どうするのか…よく考えてみて」

木「…」

男「あ、それと」

男「ケガはダメNG。コツンと当てる程度ね。

人は用意する。こっちで。明日夕方甲州街道

府中方面に流しなさい。じきに目の前にバイクが現れる

から。あとは好きな信号で、ユーのタイミングで。

わかるよね」

木「…失礼します」

踵を返した木村。その背後から…かすかに鼻歌

わず足を止める木村

(♪すごい立派になって すげーいい服着ても

 モロにころべば痛い そんなもんだよね)

木「…っ」

叫びのような音を立てて強く閉められるドア。

鼻歌はまだ続いている…

(♪ヘイヘイヘイガー

 いつの日にか また幸せになりましょう

 ヘイヘイヘイボー

 かっこわるい 朝からとにかく始まる)

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