「そんなことはないだろ」
「そういう話してんじゃないだろ」
「そもそも比較対象がおかしいってんだよ。和菓子には和菓子の良さがあるだろ」
「その良さってのが、洋菓子に比べて美味しさに比例していないって話なんだけど」
「というか和菓子に対して、洋菓子って括りがフェアじゃねえ。何で日本一人で、世界と戦わないといけないんだよ」
「お前、ちょくちょくカッコつけた表現したがるよね。『日本一人で、世界と戦わないといけない』って」
「そーいうお前は、話の趣旨とは関係のないところばっかり気にしたがるよな。話の腰を折る天才」
「とりあえずさあ、もう少し和菓子、洋菓子だとかの雑な括りを何とかしようぜ」
「じゃあ、中菓子」
「は?」
「いや、雑なことには変わりないし。というか中菓子って、高知県の郷土菓子をそう呼ぶのだが」
「あ、そうなんだ。じゃあ丁度いいじゃん」
「何が丁度いいんだ」
「フェアじゃねえし。洋菓子どこいった。日本規模の大会を、全国大会って表現しているくらい違和感あるんだけど」
「和菓子はどこいった」
「あ、そうか」
「ははは、ポカをやったな」
「……いや、今度は高知一人で世界と戦わないといけないから、一層アンフェアなんだが」
「お前、ちょくちょくカッコつけた表現したがるよね。『高知一人で世界と戦わないといけない』って」
「『高知一人で世界と戦わないといけない』のどこがカッコいいんだよ!」
「ツッコむところ違うと思うんですけど」
Aという集合(でいいんですかね)はBCを内包しているが、BCはそれぞれ相容れないほどの個性があり、個別的に見ると別物である。 ところがAという集合からしてBCは同列でありそれ自体...