「はたちの献血」というキャンペーンがある。若者も献血に行ってもらおうというキャンペーンだ。
このキャンペーンで一つだけ許せないことがある。
ここに出てくる輸血を必要とする人々は、みんな子供である。ウェブページも子供の声ばかりだ。
とどけ、いのちへ。|【日本赤十字社】平成29年 「はたちの献血」
これはとんでもない印象操作だ。実際に輸血を受けているのはほとんど高齢者だ。例えば東京都の統計を見るがいい。
輸血を受けた患者の84.5%が50歳以上だ。さらに言えば50%以上は70歳以上の患者に使われている。輸血の需要の実態は高齢者がほとんどなのに、はたちの献血キャンペーンでは全体の10%程度でしかない未成年しか使っていない。これは実態に即していない。
勘違いしてほしくないのだが、子供を使うのが欺瞞だと言いたいのではない。主たる需要者である高齢者の声を伝えるべきだと言いたいのだ。どうして大需要家である高齢者の声を無視して、子供の声ばかり流す必要があるのか。(なんとなく察する部分はあるが)
献血制度の本質は若年層から高齢層への医療的搾取にあることはもう隠しようがないのだから、せめて高齢者からの感謝の気持ちをきちんと伝えるべきではないのか。