2016-11-17

怒りという感情を、表現できない。だから最後はいつも、逃げ。

「怒らないことはよいこと」

「怒ったら人間関係おしまい

「怒るのは、小さい男」

「怒るのは、問題解決にはならない」

最後に殴り合いのケンカをした中学生時代からこちら、ずっとそんな風に思い込んで、20年くらい生きてきた。

「それはないだろ」。相手言動や行動に、反発を感じることは、仕事でも、短かった結婚生活でも、よくあった。

そうなると、すぐに「ま、おこってもしかたない。そういうものもの」と思い直して、やり過ごしてきた。

でも。

捨てたと思っていた感情は、時に自分に牙を剥く。ひとりの夜に襲ってくる。耳鳴りがして、のどが渇く。それでも、歯を食いしばって布団をかぶり、目をつぶっていると、いつしか眠りが訪れて、僕を救ってくれた。ああ、昨日は寝つきが悪かったなあ。そう、軽く済ます。決まって、そんな夜はシュークリームが食べたくなった。コンビニで買えるような、安いやつ。

でも。

仕事も、異性関係も、5年もすると限界がやってくる。

ある日突然、「あ、終わりだ」。

憑き物が落ちたみたいに、情熱を注いだ仕事愛する人に、何の関心も持てなくなる。胸のつかえがなくなると、また僕はただの陽気な男に戻る。

そんなことを繰り返して、ようやく気づいた。

「僕は怒りかたを、しらないだけなんだ」

怒らないことがいまの僕を、つくってくれた。

怒らないことが僕を、苦しめた。

怖くてしかたがない。

いまのままでいるのも。怒りを抱えてしまうことも。

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