高校の頃、部活の先輩に、買いものに行くから手伝ってと、田舎駅に唯一あるショッピングモールに一緒にでかけた。
シルバーのネックレスを、男の子の好みで良いから選んでくれ。とたのまれ、中二病丸出しの十字架のネックレスを選んだ。
サイズの確認をしたい。と首を貸しだすと、うん、ぴったりだと言われ、レジに連れてかれた。
そのままでよろしいでしょうか。と、半笑いの店員の前で、彼女は言った。
これは、首輪だから。あうときはいつも、つけてて。こちらの返事なんてきかれて無かった。
十年以上たった今でも、朝起きると首にネックスレが残ってる違和感を覚えてさすってしまう時がある。
そういう日は、ウォッカを適当にあおる。そうやって今日も目覚めた。
こんなものに縛られ続けるぐらいなら、独りでいた方が良かった。