労働者階級の仕事はロボット・人工知能に取って代わられ、その利益を享受するのはロボットという資本を所持する資本家層となります。
ロボットに仕事を取って代わられた労働者は、(その時点で)ロボットができないより創造的な仕事をするか、ロボットという資本の投下が見合わない、生産性があまり高くない仕事を選ぶしかありません。ロボットの生産性や柔軟性はどんどん向上し続け、ロボットの所有者たちはどんどん稼いでいきます。ロボットを持たない大多数の人々が稼げる仕事はどんどん減っていきます。
かくて資本家層と労働者層の貧富の差は加速して広がり、人類はリソースを寡占する「持つ者」と、圧倒的多数の「持たざる者」に2分されていきます。
然しながら、「持つ者」は賢く、圧倒的多数の「持たざる者」が爆発してしまうような不満を持たせることはありません。ロボットによって生産性が底上げされる為、「持つ者」の安全を確保するための「防衛的投資」も余裕をもって行えるようになります。
或いは、「不幸な事故」によって「持たざる者」は減ってしまうかもしれません。「不幸な事故」なので仕方がありません。幸いにも「不幸な事故」に遭わなかった「持たざる者」たちは、画面の向こう側の悲劇を嘆きながら、自分とその家族のささやかな安全と毎日の食事に感謝を捧げるのです。