人間関係を続けるにあたって、おそらく潜在的に「相手は自分に価値を与えてくれるか」と誰もが考えているのだろう。
僕は家族と風俗嬢以外は滅多に話すことの無いただの風俗依存なので、人間関係もそれしかない。
僕は金銭をもって風俗嬢に価値を提供し、風俗嬢はプレイやその前後のとりとめの無い会話を対価として支払う。
しかし、過去の人生を鑑みると、僕は周囲に金銭をばらまかなかったためなのか、周りから慕われるような人間ではなかったし、今もそうである。
容姿の優れた者はそれだけで価値を与えられると信じられているらしいが、僕の目から映るに僕と容姿がほぼ同等か、ひょっとすれば僕より劣るだろうとする人間が周囲に慕われていたことは何度も目撃したことがある。
どうして彼らが慕われるのか、わからないところに真の僕が慕われない理由があるのだろう。
特に恋人関係というのはさらに不可解で、僕と風俗嬢が金銭をもってでしか行えない破廉恥な行為を、タダ同然で行えるというのはお互いを相当に価値があると思っているのだろう。
私は今までの人生で、あまりにも価値が低いことを悟ったため、いわゆる恋人関係になって、タダ同然で生身の人間に愛されようだとか、身体を交わそうだとか、そういうことは齢20にして諦めてしまった。
しかし、恋人関係だけが人間関係でないのは明らかであり、学生と社会人では重みが全く違う人間関係を維持するために、価値の無い僕は金銭を周囲にばらまき、他人相応の価値にまで水準を引き上げないと生きていくことはできないのではないか。