ノーベルは自らの発明したダイナマイトを、自身の肛門に突っ込みながら空想に耽っていた。「もしもこのダイナマイトに引火したら私はどうなるだろうか。木っ端微塵になるだろうか」 ダイナマイトの先端が前立腺を刺激したのだろう。すでにノーベルの股間は硬く膨張していた。
当時ノーベルは科学者としてはすでに一定の社会的評価を得ていた。しかし彼が社会貢献のために発明したダイナマイトが戦争に利用され始めると、ノーベルに対する非難の声も高まっていった。ノーベルはただじっとその罵詈雑言を聞いていた。そしてこう思った。「もっと罵ってくれ」 矢のように痛烈な言葉を浴びるたびに、ノーベルの股間のダイナマイトは今にも爆発しそうになるのだった。
幼少の頃よりノーベルは女性の生理用品に並々ならぬ関心を示していた。ダイナマイトの着想を得たきっかけも妻のタンポンだった。そして今ノーベルの肛門からは導火線がひょろりと飛び出している。ノーベルの背後には妻の姿があった。妻の右手に握られたオイルライターが、徐々にノーベルの導火線へと近づいていく。すぐに火を消せば間にあっただろう。しかしノーベルは敢えて火を消そうとしなかった。慌てず騒がず、泰然自若とした態度でノーベルはそのときを待った。
数瞬後、爆風と粉塵の中を一枚の紙が舞っていた。その内容は財団の設立を意図したものだった。後にこの書面に基づき財団が設立され、ノーベル賞が誕生することになる。