大森靖子の歌詞が良いことなんて今更過ぎるけど、どこが好きなのか整理してみた。
「もう好きじゃなくなったのかな」
「好きだった歌 もうサビしか歌えない」
「ほんとうに 好きだった 彼の悪口
over the party
彼女は人を、何かを、好きじゃなくなる瞬間の切り取り方が秀逸だ。
歌詞ではないが「だれかを 好きになりつくて仕方ないんでしょ?」タワーレコードの広告のキャッチがある。
巷には、人から好かれるためのハウツーは溢れているけど、人を、好きになる方法ってなかなか見かけない。
ものですら、マーケティングとか何とか言って人から好かれるための工夫がたっぷりされてる。
好きになること自体滅多にないのに、好きだと思ったものがあっという間に好きじゃなくなる。
自分が好きじゃなくなられるのはコントロール出来ないから仕方ないけど、自分の好きすらコントロール出来ないなんて悲しい。
そんなとっても悲しい瞬間の切り取りの名手が大森靖子だ。
彼女はPARCOのCMで「音楽も聞き捨てられる時代になっているけど、自分はそんな時代を嫌いじゃない」と言っている。
こんなに大好きでも、私が大森靖子が好きじゃなくな瞬間が訪れるかもしれない。そんな瞬間ですら先回りで巧みに切り取るのが大森靖子の魅力だ。