20代の頃だって、俺は最低の人間だぜーとか言ってた気はするんだけど、あれは中二病的な自虐というか、それほど深い実感が伴っていたわけではなかった。
でも30代も中盤にさしかかってきて、この年になって、なぜだか自分の下劣さを深く染み渡るように自覚してしまい、本当につらい。
朝目が覚めた瞬間に、心臓が絞り上げられるような、脇腹に穴があいていて冷たい風が吹き抜けるような、不安に教われる。
平日はどうにか起床して会社に行って、仕事をしていればそれなりに気がまぎれるのだけれど、
休日は布団から離れられない。つらいなあ、不安だなあ、嫌だ嫌だと布団の中で昼まで呻いている。
鬱病の薬は飲んでいるが、効き目はいまいちで、副作用の眠気がひどすぎる。眠すぎてよけいに鬱になる。
俺は殺人犯でもなければ振り込め詐欺の首謀者でもないわけで、俺はたいして悪いことはやっていない、俺より悪い奴はいくらでもいる、
と自分に言い聞かせるが、なんというか、そういう問題じゃないんだ。
一つ一つのできごとは取るに足らない。ここでいちいち事例を挙げたりはしない、そんなことしても鬱になるだけだろうし。
小さなことでクヨクヨせずに前向きに考えるんだ。そうすべきだ。
でも、なんだろう、振り払っても振り払っても、胸の奥からこみ上げてくる感覚。
そしてもう、それは変えられない。愚劣な人間のまま、残り半分くらいの人生を送る。
遅すぎることなんて何も無い、今から自分を変えればいいんだ。そんなふうに考えようとしてみる。
これは本当につらいことだ。