読む度に泣いてしまう。
解釈は色々あると思うけど、検索しても全然引っかからないから気持ちの解消ができない。
http://d.hatena.ne.jp/kako6/comment?date=20051212
「あのもやの中からは 陸に戻ろうと望む者にしか 陸は見えず 戻れんのだ」
「前に会った時には お前さんは嫁さんの遺品が見つかった時点で 生きる望みを失いかねんように見えた」
つまり、陸が見えるor見えない=戻りたい場所があるorない 的な解釈でいいのかも。
最初は「ベタに 陸=生きる意志かなー」とか思ったけど、それだとみちひの「もう… あきらめかけてた…」というセリフに合致しない。
つまり、
昔のシロウ:みちひの痕跡を探すことだけが生きがい。霧の中でみちひの空舟を見つけてしまったら陸に戻りたいとは思わないだろう。→陸は見えなくなる、ギンコストップ
今のシロウ:漁村の人々に必要とされ、大切な女性(ナミ)も居る。みちひの空舟を見つけても陸に戻る意志は失わないだろう。→陸は見える、ギンコOK
回想の初段階だけど、二人とも問屋を出てから漁村に着くまで日が経ってないように思える。
シロウのリストラの原因や裏事情等、夫婦間での話し合いがされてなかったような描写だし。
おそらく、シロウは仕事で失敗→リストラの後すぐに問屋を出ていき、それをみちひが追って来たんだろう。
シロウも心の整理が付いてない感じで、みちひに辛く当たってしまう。
また、みちひはこの段階ではシロウの故郷にまでついて行く決心が固まってなかったように思える。(舟頭の「奥方 乗らねーんで?」のセリフから推察)
で、蟲に遭遇。
シロウは後に「あのもやは外から中は何も見えんが 中からは不思議と外がよく見えた」と話しているので、陸が見えていたのだろう。問屋に未練があったと思われる。
みちひはシロウの故郷に行きたいと思ってないし、夫であるシロウについて来た手前問屋には戻れない。
諍いの中でシロウに追い詰められ、どこにも行く場所がなくなってしまったということかな。
二度目の蟲との遭遇。(書いてて泣けてきた)
シロウは空舟どころか、みちひと再会。
「お前今 陸は見えているか?」
「大丈夫だ ちゃんと見えているよ そら むこうに」
シロウに見えていた陸の正体がわからない。みちひみたいに完全に陸が見えなくなった訳じゃないし。
シロウには故郷の陸が見えていて、ここに来てやっと、本当にみちひと故郷で暮らしていく決心がついたのかなーとか思ったけど、ギンコには見えていないから故郷ではないはず。
漁村の陸が見えなくなったということは、みちひと再会したことで漁村に戻る意志はなくなったと推察されるから、そうするとやっぱり故郷なのかな?でもそれではギンコの表情と合致しない。