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ネットでの知り合いに数年前に自殺した人がいる

音楽に造詣が深く、自殺する数日前まで作曲していた

リアルの友人ともめったにしたことのないような熱い議論や、踏み入った話題も何度もした

沢山の人がネット上で彼の言葉や作品に触れ影響された

同時に彼の言動の端々からは、生きることについての迷いがあることを、僕たちはなんとなく感じ取っていた

騒ぐこともなく平静で、とても知的な人だったけど

どことなく、死の香りはしていた

だから明日も音楽聞かせてねと言ってた

明日も放送してねって

うすうす、生きろってみんな言いたかったんだと思う

純粋な気持ちで

けど、彼はいなくなった

多分、本当に彼を止められたのはリアルの知り合いなんだ

彼の死後、彼の兄弟がネットで僕らに事情とお礼を伝えてくれた

そこで知ったのは、リアルでは家族でさえも彼の悩みを全く知らなかったということだ

連絡さえ殆どなかったそうだ

皮肉だよ

物理的に遠い相手には心理的な障壁は低く

物理的に近い相手には心理的な障壁が高いのかもしれない

自殺も止められないような関係を友人って呼べるんだろうか？

でも、僕は中学生の頃、家も近かった友人を自殺で亡くしている

止められなかったんだろうかって、今でもふと考えることある

止められなかったし、なんで気づけなかったんだろうって、気づいても無駄だったんだろうかって思うけど、友人だと今でも思ってる

ネットでの彼も僕の友人なんだと思う

ネットごときでと馬鹿にされたとしても、そう思わないとなんかやりきれない

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