相手は親を知らずに育った心に傷持ちの女性らしい。
ろくな男ではない。
奥さんが更に傷を抉られないようにと祈った。
子供も生まれた。
育児に失敗するパターンが多いから、せいぜい虐待しないようにと祈った。
祈ったが、子育てに関していい噂は聞かない。
子供には何か疾患があるらしいし、泣き声が絶えない。
先日、救急車がその家庭にきたと聞いた。
子供の病気が悪化したのかな。余程の事だろう、気の毒だと思った。
無事であるよう祈った。
結局、子供ではなくて父親が大した事ない怪我で運ばれただけだった。
何だお前か。お前はどうなってもいいと呪う自分がいた。
誰も恨まない、いいひとになりたかっただけみたい。
祈ってる行為に酔ってたみたい。
祈ってるふりして呪ってた。
ずっと恨んでるみたい。