私は他人が苦手である。
どうもコミュニケーション能力に乏しいようで。
こっちがしゃべると、相手が何をしてくるのかがわからない。
下手なことを言えば、恨まれたり暴力を浴びるかもしれない、と。
ひいては、自分の命が危ない、と。
そこまで考えてしまうのだ。
高さ数十メートルからロープ1本つけて飛び降りるのが怖くないわけがない。
でも、ロープがついてる。
ハーネスがちゃんと固定してある。
それで、安全性は十分保たれている。
もちろん100%ではない。
でも、頻度は限りなく0に近い。
事故が起きればバンジーの安全性がガタ落ちして、営業に支障をきたすからだ。
なので、ある種の安心によって川底に飛び込むことができるのだ。
「他人に話しかける」か「バンジージャンプをする」のどちらが危ない?と問うと、
でも、私は「他人に話しかける」のほうが圧倒的に危険だと思ってしまう。
多分どちらも安全性はほぼ100%、むしろバンジーのほうが低い、と言うのはわかっている。
でも、心臓疾患がある人がバンジー飛ぶと安全性がぐんと下がるのと同じように、
コミュニケーション疾患がある私が他人に話しかけると安全性が下がる、
と言うのはそんなに言い過ぎでもない気がする。
コミュニケーションとは、言葉というナイフを使ったどつきあいだからな。 そりゃ怖いって。 心を一突きにされたら痛いのは当たり前。