2013-07-16

留学する前日の夜に

つい先週まで留学していて、1年ぶりに帰ってきたわけだが。

留学する前日の夜。まさに1年少し前、バイト先の先輩が仲間と一緒に送別会を開いてくれた。勝手に辞める俺を明るく力強く送り出してくれて、酒も進んで有り難いなあ嬉しいなあと思っていた。俺はその先輩を尊敬していたし、みんないい仲間だった。先輩や仲間と分かれる時は少し泣けて、みんな有難うな!感謝してるぜ!みたいなむず痒いツイッターをしたりして意気揚々と旅立ったんだ。

それからしばらく、先輩や仲間のツイートメールが途切れた。変だなと思いつつも、俺は初めての留学生活に慣れることに精一杯でこちらから連絡を取ることはしなかった。

ひと月ほど経って、仲間たちからメールが届く。頑張ってるか、どうだそっちは、こっちは暑いぜ、そんな気軽な内容で。俺も気軽に返信して、目の前の生活に没頭していった。先輩に送ったメールの返信は来なかった。

そして1年経って帰国して今日、本当についさっきのことだ。先輩はどうしているのかふいに気になり、TLに上がってこない先輩のツイッターURLを探すべく、名前検索したんだ。新聞記事のURLが1番上に出た。

先輩は1年前の夜、飲酒運転で追突事故を起こして亡くなっていた。

追突された人も亡くなっていた。

日付は俺の、俺の、送別会の、夜だ。

俺はあの日、先輩が車に来ていたことを知っていた。ただいつも飲み会の時は、車を駐車場に入れっぱなしにしてタクシーで帰っていたから、あの日もそうなんだろうと思っていて。

仲間は何も言わなかった。

1年間も何も言わなかった。

俺のために開かれた飲み会だった。

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