僕の一番下の弟が今年高校3年生である。このもっとも不幸な受験生の年に、不運にも身内が当たってしまっていた。
従来のセンター試験から打って変わり共通テストという新しい方式になったばかりか、本格的になってからはほぼ初めてであるコロナ禍受験のダブルパンチ。
共通テストで記述式はやっぱり辞めるだの、民間試験試験の活用もやっぱり辞めるだの振り回され続けた。
初めての試験とのことで、参考になるテスト問題が提供されていたようだ。
ここまで好き放題振り回された上で、コロナ禍で受験がスケジュール通り正しく出来るかどうかも不透明になってしまった。
悲しい事に高校生の楽しみである文化祭や体育祭はことごとくなくなり、部活の引退試合になる大会も中止になった。
加えて恐らく、大学に受かったとしても満足いく大学生活を彼らはきっと送ることが出来ない。少なくともこの疫病が鎮まるまで。
ちなみにこの世代は18歳成人問題にも直撃する世代である。正直なかなかあんまりだと思う。
恨んでいい先が政治家なのかウイルスなのか神なのかもはや分からないが、
それでも恐らく今の高校3年生が圧倒的なストレスの中で成長している事は確かだ。
この事象に対して、「怒り、恨む」「悲しみ、卑屈になる」「不満を消そうと行動的になる」、どう反応するかは個々の性格によると思う。
だが、何かが起こると思う。
他の世代とまるで違う生い立ちで育った彼らが、今までの世代と違う、何かを起こすと思う。
それが破壊的なものか生産的なものであるかは分からない。だが恐らく平和ボケした世代とは何か違う事が起こるような気がする。
弟はあまり感情的な性格じゃない事もあってか、怒りや悲しみをあらわにする事はなく、「大変だわ」と一言漏らす。
大人がロクなもんじゃない事を既に悟りきって、達観しているのかもしれない。
今日も政治家が騒いで、メディアが騒いで、大人たちがSNSが騒いでいる事も、恐らく相当にくだらないように感じているのだろうなと思う。
安保闘争・バブル崩壊・震災の時も、若い世代に期待する中身の無い抽象的な言説が流布したけど何も変わらなかったぞ。それでも「何かが起こる」と主張したいならもう少し具体的な...
「なにかが起こってほしい」という単なる願望だよね そんなんで何かが変わったら苦労しない