2018-07-02

[] #58-4「罪罰メーター」

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こうしてガイドは罪罰メーターを片手に、当初の目的である協力者探しを始めた。

なぜか俺たちもついてくるよう頼まれた。

暇なので、断る理由はないけど。

「キミたち、邪魔だけはしないでくれよ」

あっちからついてくるよう頼んできたくせに、この言い草イラっとくるが、俺たちはテキトーに相槌を打つ。

「ああ、大丈夫大丈夫

この「大丈夫」っていうのは「邪魔をしない」っていう意味と、「どうせ失敗するから」って意味がある。

俺たちは今回も失敗するだろうな、と何となく感じていた。

上手く言葉にはできないけど、この罪罰メーターのプロモーションには、何か欠点があると思ったんだ。


…………

ガイドが訪れたのは、俺の家。

「……また、お前かよ」

まり兄貴勧誘しに来たようだ。

ガイドが着ている服にはステルス機能があるらしく、これで俺たちに紛れて家に侵入した。

俺たちがいて、かつ家の中に入ってしまえば、兄貴も無理やり追い出したりはしないだろうと考えてのことだ。

だけど兄貴木刀を携え、いつでも追い出せるよう準備をし始めていた。

「他にも候補がいるだろうに、何で俺んところに真っ先に来るんだ?」

「いま住んでいる場所から、一番近いから……」

意識の低い就活生みたいな理由で、俺の家に来るんじゃねえ」

兄貴の口調が荒くなり、木刀を握る力が強くなっているのが分かる。

兄貴感情があまり表に出てこなくて、出ようとしても隠したがる人間だ。

そんな兄貴感情を前面に出しているってことは、ガイドに対して取り繕う気すらないほどにイラついているってことだ。

このままだとキレるかもしれない。

そう思った俺たちは、慌てて間に入った。

キレた兄貴は、俺たちが束になっても止められるか怪しいからな。

「まあまあ、兄貴。こんなに一生懸命なんだから、話だけでも聞いてあげなよ」

「頼むよ。マスダの兄ちゃん

「私、どっちでもいいけど、ここまできたら聞く位はしてあげたら?」

「……マスダの、に、兄ちゃんが、ど、どうしても嫌だって言うなら仕方ないけど……」

俺たちに頼み込まれて、兄貴も少し冷静さを取り戻したらしい。

「はあ……全く。セールスマン絶滅した時代になってから、お前らみたいな良い子が生まれてきて本当に安心した」

兄貴は近くの椅子腰掛けた。

すると、飼い猫のキトゥンが近づいて、兄貴の膝元にうずくまってくる。

兄貴木刀を手放して、キトゥンを膝上に乗せた。

まだちょっと刺々しいが、かなり落ち着いてきているようだ。

「ほら、駄目出ししてやるから、さっさとプレゼンしろ

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