背丈や顔つきが全く違うアジア人は完全に周りから浮いてしまうため、日常的にジロジロ見られたり視線を感じることも少なくない。
その視線が有色人種に対するレイシズムからなのか、はたまた珍しいものに対する興味本意からなのかはわからないけれど、
その視線を送ってくる人の中に時々、声をかけてくる人がいる。
好意的な言葉や、当たり障りのない質問などをしてくる人もいるにはいるが、あくまでもそれはレアケースで、
多くの人が「韓国人」とか「ニーハオ」など、外見から出身国を断定してからかってくる。
(もちろん「よう日本人」と言われたこともある。)
初めてこのような冷やかしを受けた時、日本人であるのに韓国人や中国人と断定されたことに心底ムカついた。
多分、タイとかフィリピンとか違うアジアの国だとそこまでムカつかなかったと思う。
しかし、そのこと以上にショックだったのは、自分自身がそんなことにムカついてしまったことだった。
今まで私は、嫌韓・嫌中感情をもったことはないと思っていたし、いわゆる韓流ブームが来た時も好意的に受け入れていたと思う。
また、その韓流ブームが過ぎた後、ネットで中国や韓国に対して必要以上に叩く風潮や、
ここ最近の在日外国人に対するヘイトスピーチも異常だと感じていた。
韓国人や中国人であるというだけで差別することに違和感を覚え、絶対に私はそんな人種差別主義者達とは違うと信じていた。
私自身、なぜこのような気持ちが湧き上がったのかはわからない。
おそらく、私の心の根底では日本人は韓国人や中国人に比べて勝っているという意識があったのだろう。
上辺では、韓国人や中国人というだけで差別するのはおかしいと考えていたが、
心の奥底では日本こそアジアのトップで、日本人は他のアジア人より勝っていると思っていたのだろう。
このムカつきが、そして心の奥にある日本人は他の国より勝っているという意識がヘイトに繋がるかはわからない。
しかし、この心の奥にある意識が大きくなり、それに育つ可能性はゼロではない。
2回目、3回目と同じように声をかけられた時もそのムカつく気持ちは消えず、
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