DeNAの報告書を読むとアジャイル開発関連用語が結構出てくる。POとか。用語説明が足りてないので一般人にはなんだこれ状態だが。
一言でいうと、今回はアジャイル開発の敗北と言えるのではないだろうか。サービスを小さく始めて少しずつ良くして行くはずが、少しずつブラックに変わっていき、会社もそれを制御しなかった姿を報告書は指摘している。
そして各サイトのPOは全員コンプライアンス意識が欠如していたことも指摘されている。
アジャイルの弱点としてコンプライアンス軽視がある。アジャイルの雄だったDeNAですらこんな体たらくだし、楽天とかはグレーゾーンの名物ランナーを何年も続けている。
アジャイル関連資格のCSMやCSPOもコンプライアンスは問われていない。ウォーターフォール系資格であるPMPや情報処理PMではちゃんとコンプライアンスが問われるのとは対照的だ
そもそも、アジャイルソフトウェア宣言が作られた時期の米国IT業界を調べればすぐわかるが、アジャイルソフトウェア宣言は、当時ドットコムバブル崩壊で恐慌が始まっていたエンジニア業界が、自分達が失業しないために出した「いつでも何処でも何でもすぐやります」宣言に過ぎない。そこにはコンプライアンスの文字は無く、スピード以外は無視するという悪い概念が取り入れられた。
今回のキュレーション問題は、そんなアジャイル開発全体の敗北ではないだろうか。スピード感があればなんでも許されるわけはない。「永久ベンチャーは免罪符ではない」のフレーズは、その意味も込められている。