2016-12-04

映画この世界の片隅に』で泣けなかった理由を考えてみた。



(注:ネタバレまくりです)


泣けなかった。

自分映画で良く泣く派。

君の名は」も「聲の形」もガン泣きした。

でも「この世界の片隅に」はまったく泣けなかった。

とてもおもしろかったし、良い作品だと感じました。

でも泣けなかった。

なぜだろう?

その理由を考えてみた。



【すずさんの人生に「困難>幸福」を感じた】

描かれる当時の社会情勢はハンパなく苦しい。
・知らない人といきなり結婚させられ知らない家族と暮らすはめに
・でもって義姉がきつい性格
・まともに食べるものがない
空襲で姪を失い自分の過失を責める
自分もいつ空襲死ぬかわからない
・手を失い大好きな絵を描けなくなるばかりか、家事もできずに嫁としての労働力にならない
などなど。

「それでも彼女はたくましく生きたのです。素晴らしいのです。」
といってしまえばそれも感動ポイントなのかもしれないけど。
自分はそう感じられなかった。

そう言ってしまうにはあまりにも困難の量が膨大すぎる。
それを受け入れて生きるすずさんに、感動でなく哀れみ的な感情を持ってしまった。

もうこれ以上すずさんの困難を描かないでくれ。
映画を見ながらそう思っていた。
怒りにも似た、冷たい気持ちになった。



底抜けの困難。すずさんとみなしごハッチ

映画を見てから半月くらいたって気づいたんだけど、この気持…。

そうだ!みなしごハッチとおなじだ。
子供の頃アレを見終えた時に感じた気持ちだ。

ハッチ最後のほうでお母さんと会えたけど
そこに辿り着くまでの困難が膨大すぎて、妙に腹立たしかったのを覚えている。
「いやいやお母さんに会えたのはよかったけどさ、ここまでの困難がちゃらになるとは思えんぞ。こんなんでいいのかハッチ?」と変な感情移入をしたのを覚えている。

コレと同じだ。

(多分養子にした)女の子だっていつ白血病になるかわからない。
こうの史子繋がりで「夕凪の街 桜の国」を読んだ人(もしくは実写映画を見た人)はそう感じた人もいるかも。

すずさんに、さちあれ。

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