人間には魂が合って、死ねばココよりはマシなどこかへ旅立てると信じているから奴らは地面や電車に己の身体を叩きつける。
人を殺すのは宗教だ。
キリスト教が自殺を禁止したのは自分たちが天国なんて設定したせいだ。
十分に善行の貯蓄を溜め込んだけど現実に追い詰められた人間が、悪人になって徳の貯金に手を付ける羽目になる前に死のうとするのだ。
誰かが手首に刃物を突き立てるのを止めたいなら天国も地獄も輪廻転生も存在しないと説得すればいい。
もちろんこの世界がゲームやシミューレーターの中の世界で、死ねば科学技術の発達した素敵な時代に戻ってこれるなんてのも夢物語だと。
死んだら天国に行けませんよなんて言われても絶望した人間は「でも地獄だってここよりはマシかもしれないぜ」と首を釣るだろう。
奴らは死ぬことで救われることを信じている。
全てをリセットして幸福になる自分を信じているから肺いっぱいに二酸化炭素やヘリウムを吸い込むのだ。
そんな物はないと俺達が未だに証明できてなくて、どっかのアホどもは「宗教を信じて天国に行こう」と追い詰められた奴らを餌にしてるから、だから奴らは山盛りの薬を飲み込むのだ。
自殺する人間はあの世や生まれ変わりを信じている。 いや、人間なんてもう懲り懲りだと思ってる奴がほとんどだろう。 来世なんかあったらそれこそ地獄。
んなこたーない。 とりあえず、もう明日が来てほしくないだけ。