2014-07-01

家電量販店で店員と交渉すると安くなるのは金持ち貧乏人の両方から搾取する為

釣り気味なタイトルを付けたが内容はまっとうな経済学の話。


家電量販店などで店員と交渉すると値段が安くなったりする。

今回話したいのは、なんでそんな風な仕組みが採用されているかっていう話。

ちなみにこの話題を取り上げたのは、はてな界隈でこの話題(の倫理的側面)が盛り上がりつつあるらしいから

(例えばhttp://fujipon.hatenablog.com/entry/2014/06/30/145658)。



実はこれはミクロ経済学教科書で独占や寡占の章を読むと書いてある典型的な話だ。

順を追って説明する。


家電量販店は多くの場合、周りに競合店が数えるほどしかなく、一つの街に限れば、

独占といわないまでも寡占を達成している状況だ(注1)。

から競争が激しい場合(注2)と違い、

商品の値段を意図的釣り上げる事で儲けを増やせる。


でも、値段を釣り上げてしまうと、当然お金のない人とか、購買意欲が少ない人とかは

商品を買ってくれなくなるという問題を抱える。

お金のある人には高く売り、ない人には安く売る、これが量販店にとって理想だ。


この理想に近づく為に登場するのが「交渉すると安くなるシステム」だ。

「交渉してまで値段を下げたい人」ってのは(言い方が悪いが)

ちょっとの値段を下げる為に時間をつぎ込めるほどお金節約したい人」であり、

したがって「お金のない人」だ。

こういう人は定価では買ってくれないだろうから、安く商品を売ってしまう。


一方わざわざ交渉しない人は「別に定価で買ってもいいや」と思っている裕福な人なので、

こういう人には高い定価を払ってもらう。

こうしてお金のある人・ない人の両方からお金を取り、儲けを最大化しようとしているわけだ。



というわけで、何で「交渉すると安くなるシステム」が採用されてるかというと、

「まぁ、商売ですから…」という事ですね。



ちなみにこの種の話はよくある事で、スーパータイムサービスを行う理由とか

航空券の値段が激しく変動する理由とかも同じ理屈(も原因の一つとして)で説明がつく。

(そしてこれらもミクロ経済教科書によく例として載っている。)



(注1)厳密にいうと独占的競争である事が多いが、難しくなるので立ち入らない。

(注2)正確には完全競争場合。この場合競合店との競争に負けない為に値段は極限まで下げざるを得ない。




======

(追記)

ブクマのQ&A。出先からなんで簡単に。

どの教科書に書いてある?>例えばクルーグマンミクロ経済学。他の教科書にも載ってるはず。

量販店が寡占って…>似た例だとクルーグマンの本ではガソリンスタンドを独占的競争モデル化してたはず。ここでは量販店にある程度の価格決定能力がある(ので値引き可能な)事だけ認めればOK.

搾取は言い過ぎ>釣りぎみタイトルですいません。本文はまじめに書いてる。

トラバ>なんだろね、これ…。

トラックバック - http://anond.hatelabo.jp/20140701031341

記事への反応(ブックマークコメント)