増田は新卒で、とあるベンチャー企業に入りたくて、最終面接までこぎ着けたんだ。
そこはそれほど有名ではなかったけれど給料がすこぶる良く、最後に受けたのは個人面接だった。
そこで聞かれた質問は今でもはっきり覚えている。「今、狩猟のために武器を作るとすればあなたは何が作れますか?」と面接官は聞いてきた。そんな質問はもちろん想定外で、俺は戸惑った。狩猟のために作る武器は市販の出来合いものを使用しては駄目で、武器はすべてを自分で一から作る必要がある。補足でそう言われると頭の中はもう真っ白で、それでも面接官は「あなたは何が作れますか?」と聞いてくる。
真っ先に罠や銃のことが頭を過ったが、俺は罠の作り方を知らなければ銃の原理さえも正確に答えることは難しかった。そもそも一から作るとか無理じゃね!?とさえ思っていた。結局俺は何も言えず、それで面接は終わり、それが結果を暗に示していたといえる。
こんなことを今更思い出したのは知り合いの後輩がこのベンチャーに入ることになったのだと耳にし、それでなんとなく思い出したのだ。そして今思い返しても結構な無理難題だったような気がする。
そもそもDIYで狩猟ための武器を作るというのは可能なんだろうか?当時から10年以上経ち、この歳になってもそう思ってしまう。
まず、獲物は何ですか?って聞かないの? うさぎも鳥もイノシシも鹿も作る道具違うけど
狩猟とは何を狩ることを想定していますか? 出来合いとは、ホームセンターの角材も含みますか? とかとにかく要件や制約を明確にしていくのが第一 その後は仮に狩る対象に指定がな...