2023-02-09

付き合って3年目

劇的に、惹かれ合った。

恋し合った。

愛し合った。

幸せで切なくて苦しくて満たされていた。

周囲の反対、あまりに高い障害があったけど、そのどれもがわたしたちを引き返させはしなかった。

ふたり恋愛に溺れていた。

所詮恋愛中のドーパミン脳内現象に過ぎなかった。

毎日一緒にいるようになって、においも嗅ぎなれて、愛の言葉は無くなって、甘い囁きは無くなって。

毎朝のトースト目玉焼きみたいなお決まりセックス

初めてしたときは頭の奥が痺れたキスも、今となってはおざなりに触れるだけの挨拶代わり。

わたしたち恋愛は終わった。

恋に落ちたあの日と変わらない彼のくせ毛。

心地よい低い声。

すこし癖のある笑い声。

可憐笑顔

体温。

手触り。

匂い

どれも愛しくて手放し難いのに、少しだけ物足りなさを感じてしまう。

なんでわたしってこんなに贅沢なんだろう。

全てを失っても彼がほしいと願ったのに、彼の全てを手に入れて幸せなのに、一緒に居られる時間が宝物なのに、なぜ。

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