14歳のとき、同級生が妊娠した。お相手は一歳年上の中学生。誰もが堕胎するのだと思っていた。でもその子は産んで母になり、高校進学を諦めた。
16歳のとき、同じダンススクールに通ってた子が妊娠した。同じ16歳だった。お相手はダンサー仲間の年上の男性で20代くらいの人。お相手もその子の両親も堕胎を希望したと聞いた。でもその子は産んでシングルマザーになり、大きなお腹で全日制の高校に通ってダンススクールにも来ていた。
大学生のとき、先輩が妊娠した。お相手はわからない。先輩は産む決意をして、大きなお腹で大学に来て、シングルマザーになった。夢だった、激務だけど高給でやりがいのある業界への就職は諦めて地元の公務員試験を受けていた。
なんで産んだんだろうなあ、とその時々思った。高校生活とか、若い頃に遊ぶ時間とか、夢を諦めて、お相手も助けてくれなくて不利なのに。妊娠したらそんなことどうでも良くなっちゃうのかなあ。妊娠って何なんだろうとか考える。
人間は所詮脳内分泌物の奴隷だから。 「激務だけのやりがいのある仕事への夢」とかも、ドーパミンやアドレナリンの分泌が過剰でハイになっていることによると言える。