どんな時でも被害者の声によりそう、北原みのりさんは一貫していて気持ちイイ。
性暴力は密室で行われる。客観的証拠もない。だから性暴力はどちらかがうそをついている事件……という一見、中立なその姿勢こそが、実は加害者側に寄り添う行為になる。
多くの被害者は声をあげることができなかった。声をあげれば「本当の被害者が声をあげられるはずがない」と言われ、声をあげなければ「被害などなかった」とされ、時間を経てから声をあげれば「今さら何が目的か?」と追いつめられるのが被害者の現実だった。そもそも、声をあげる側の社会的立場は圧倒的に弱いことが多い。そういうことが、ここ数年の世界的な潮流#MeTooで、明からになった。だからこそ、まずは被害者の声を裁くのではなく聞く、「被害者中心主義」の姿勢が今、国際的には人権の見地から求められている。記者ならば、なおさらそのことを理解してほしいと思う。