リアルでもネットでも「仕事を頑張る」という言い方をする人が非常に多い。それ自体は悪意のない何気ない言葉であるが、この「仕事を頑張る」という言葉は非常にモヤモヤする。
そもそも、与えられてもない仕事を「頑張る」ことはできない。自営でも、顧客がつかなければ頑張りようがない。要するに仕事がなければ、頑張りようがない。あるいは一応仕事をしていても、例えば何かと話題の「仕事のできないおじさん」が「仕事を頑張った」ところで、若手には「頑張らなくていいから何もすんな(=さっさと辞めろよ)」と思われるだけだろう。
要するに「仕事を頑張る」言葉には、1)自分は会社の中でハードな仕事量を任されているほど優秀である、2)自営で儲かって忙しくてしょうがないほど商才がある、
3)自分が頑張るほど周りが感謝する、ということを同時に言っているのである。これはとくに、なんとかありついた仕事でことごとく「無能」「クズ」と罵倒されて結局ひきこもったしまったようなタイプの人間にとっては、ほとんど自慢でしかない。