自分は下に妹弟がいる長女として育った。
一人部屋をもらった頃からだと思う。夜、布団にはいると「お兄ちゃん」に心のなかで話しかけるようになった。今日はこんなことがあっただとか、日常生活を報告していたと思う。
「お兄ちゃん」は義務教育、高校、一人暮らしをはじめた大学、社会人になってからも、ひとりで寝る夜は添い寝をしてくれていた。わたしはずっとそれで安心して眠りについていた。
数年前、結婚して妊娠した。
その頃、母からこんな告白をうけた。
「実は、あなたを産むまえに男の子を中絶した事がある」。
性別がわかるくらいだから、中期中絶だったのかもしれないが、そこまでは聞けなかった。
生まれた子は、男の子だった。
それから、「お兄ちゃん」の気配が消えた。
お兄ちゃん、今までありがとう。
Permalink | 記事への反応(1) | 18:34
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という妄想であった