ある日、あまり寝ていないこともあり日中に眠くなることがあった。
いちど眠気を感じると、もうどうすることもできない。
しなければいけないこと、やりたいことなどいくつかあるが、とてもできる状態ではない。
実際に取る行動は静かでゆったりとしたものだが、その気持ちとは裏腹に、心の内は起きなければという激しい思いがある。
この日は激しさを増す思いを胸に、なんとか耐え忍んだ。
しばらく眠気と戦っていたが、途中から眠気がいなくなったのである。
あれだけ自分の内で激しく戦っていたのに、ある一線を過ぎたら、途端に平穏が訪れたのだ。
さっきまでのあれはなんだったのかと思うほど、眠気というものは存在しない。
眠気はどこにいったのだろう。
なんだか仲の良かった友人が、ふとしたきっかけで連絡もなく、いなくなったような感覚を覚える。
寂しさというより戸惑いの気持ちが大きい。
だが、またどこかで会えるだろうという安心感もある。
どこからか、またひょっこりと顔を出してくるだろう。
今度は戦うという手段ではなく、眠気に従い、そのまま寝るという手段も良いかもしれない。
ただ往々にして自分の場合、戦わなければいけない場合が多いのだが…。
眠気に対して申し訳ないように思う。
次に会った時は、その時の状況によって応対したい。