コロナということでそれなりに自粛をしていた。外食はほぼゼロ、酒は好きなのに外では一切飲まない、在宅勤務なのもあり、車を買って電車にすら一年半くらい乗ってない。人にもどうしても必要な時以外まず会わない。すべてオンライン。
東京住みだが、ここ数週間はコロナがだいぶ落ち着いた感がある。去年はオンラインにした、恒例の小学生からの仲間との忘年会が今日、ある。
俺は半ドンして今、先のりして立ち飲み屋で一杯ひっかけてる。最高だ。
適度に騒がしい店内。うまいビール。特筆してうまくはないが、まあ及第点のつまみ。まだ仕事してるサラリーマンやらしょうもないであろう話に花を咲かせるおばちゃん二人組。献身的に働く店のスタッフ。街に溢れる人、人、人。騒がしい。
べつに、それほど恋焦がれた生活というわけではなかった。自粛は自粛で、妻子と共にそれなりにご機嫌に過ごしてきたつもりだ。
だが今店内で一人しょぼいビールを飲みつつ、とても幸せを感じている。ああ、いいな、ってね。とても心が満たされる感覚がある。俺はこれほどに、この以前なら何の感慨もなかったであろう生活を渇望してたんだなと気づいた。