楽しむための読書ならば単純に色々読み漁ればいい。しかし、一読しただけの読書では内容は身に付いていないのでその点は気を付けて。
勉強的な読書に関しては、少数の良書を何度も読んでしゃぶり尽くすほうが圧倒的に役立つ。読み散らかすばかりの読書は食べ物を何となく味わって飲み込まずに吐き出すようなもの。それでは滋養にならない。重要な本を探し出し、これと思った本が見つかればそれをしつこく何度も読む癖をつけるのをお勧めしたい。
再読したときが捗るというのはその通りで、問題はいつ再読するかだ。料理は冷めないうちに食べるのがうまい。途中で放り投げて以前食ったことすら忘れた頃にもう一度食おうと思っても、その料理は土くれに還っている。食物は熱くて美味いうちに、しっかり咀嚼して飲み込んで自分の栄養にしたほうが良い。読書も同様。一読目の記憶が薄れないうちに二読、三読と続けて内容を咀嚼し、自分の血肉に変える。
役立てるための読書なのだから、役立つようになるまでの期間は短いほうが良いという観点もある。3回読んで身につく本が100冊あったとして、100冊を順番に一読して、それが済んだら二読目…とやっていたのでは役に立つ知識が身につくのは201回目の読書から、ということになる。この方式では効率が悪すぎる。別のやり方として、1冊を3回読んだら次の本にとりかかることにすれば役立つ知識は早くも3回目の読書で一つ身につく。
2つの方法を比べた時、読書に投資する労力や時間の合計は同じかもしれないが、その投資を回収できるまでの時間が全く違う。この観点からも読書は一冊が身につくまで立て続けに再読するのが良いと言える。