私の小学生からの付き合いの友人で、不思議な仙人じみている子がいた。
俗世離れしてるというか達観しているというか、なんか悟ったような感じで、運動とか勉強とかが特別できるようなわけでもなかったけどそのほわほわした雰囲気がみんな好きだった。
不思議なことにその子を魚釣りに連れて行くと餌の付け方もわからないような初めてなのにその子だけ他の3倍くらい連れたり、その子と一緒に歩いているときだけナンパがやたら来たり(もちろん私含めて周囲がブスなだけかもしれないけど)
とにかく何か色々と惹きつける子だった。もしかしたら私も惹きつけられてたのかもしれない。
あるとき旅行にいって、田舎道を夜に歩いていたらぞわぞわっと不思議な感覚がした。
「もしかしておばけとかいるのかもね」みたいな話をしたら「たぶんいるよ」って会話を今もまだ覚えてる。その言葉にさらにぞわぞわしたことも。
結局その場ではおばけにいたずらされることもなく(怖かったけど)街中に戻ったんだけど、彼女に惹きつけられたであろう街中の暴走族が突っ込んできて彼女は死んだ。
最近ふと街中を歩いていたら彼女のことを思い出して今ここに書いている。彼女がいたことをこの世に記してから、私も彼女にもう一度会いたいと思っている。