不調は治ってからようやくあの時はおかしかったんだと理解できる
3年、もう少し前だろうか、大型の開発案件に参画していたのだけれど、その時よく耳が聞こえなくなることがあった
キーンというか詰まるような感覚があり、周囲の声などがよくわからなくなる
とはいえごく短い時間だったし、目は普通に見えているので周囲の様子は分かるし、そこまで不調だとも思ってなかった
ある時、同僚と帰り道に最寄り駅まで行き、エレベーターに乗ろうとしたところ、同僚が何か言っているようだ
なんだろう、と思いながらもそのままエレベーターに乗り、ホーム階に降りた
同僚はエレベーターから変な音がしておりヤバいんじゃないか、と自分に言ってたようで、こちらが気づかなかったと返すと、ああ聞こえてなかったのかと言った
その現場との契約が終わり、次の現場に入ってからも、耳が詰まるようなキーンとした感じで聞こえにくくなることはたまにあった
ごくたまに短い時間起こるだけだったし、仕事上そこまで困ることもなかったが、隣の席の同僚と話していて突然声が遠くなり聞き取れなくなるのには少し困った
最近、耳の調子が悪くて聞こえにくくなる時があるので、もし自分に声をかけても無視するようなことがあったらすまない、肩でも叩いてくれたら気づくから、と同僚にも断っていた
その時点でこの症状を自分は年齢のせいだろうとなんとなく思っていた、40過ぎたのだからなにがしか悪いところは出てくるよな、と
それを同年代の同僚に言うと、いくらなんでも早すぎないか、と返された
結局その後も明らかに困る、というようなことはなかったので、耳の不調はそういうもんだろうと放置していた
が、そこから3年ほどたった今、耳が聞こえなくなるようなことは全くなくなっていた
年齢のせいなら今も同様の症状があるはずで、年をとった分悪化しているはずなのに、聞こえないなんてことは皆無になっていた
で、ようやく、あの頃の耳の不調は何かおかしかったんだなと気づく