2021-03-23

ヨコハマホテルステイ

大きな窓から差し込む日光で目が覚めた。曇っていても海はどこか明るさを帯びている。

振袖姿の卒業生達を見送りながら朝食をとり、自転車散歩する。海が見えるだけでどこか心も穏やかになる。ここで法人営業したいだなんて軽口をたたいたのはきっと無意味時間さえも自然と共にさえあれば甘美なものになるのではないかと思ったからだ。

友人から近況報告とも自慢とも取れるLINEを受け取りながらピラフを食べ、海沿いからは少し離れた道を進む。遠くに住む親戚の子どもみたいに、ちょっと離れただけで街は急に顔つきを変える。アップダウンに太ももがヒーヒー言っているが、新たな表情に魅せられるままにペダルを漕ぐ。初見が印象深い街に家を買えば、後悔の度合いは少ないんじゃないか、なんてことを思った。

夕方家の近くまで帰ってきたら雨が降り始めていた。日当たりのやや悪い築50年近くの賃貸マンションの一室で、自然豊かな土地マンション購入を思い立ったのはそんな日だった。

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