昨日もさんざんな日でさ。とにかく気持ちがだるくて、身体が重くて、夕方になってもろくすっぽ動かない。かろうじて映画は見たけどさ。まあそんな一日だったよ。
どうしてもこんなんじゃ駄目だって思って、元気を出したくてあんたの書いた推しカプを読んだよ。わたしはあんたの書いた作品は、エッチなやつもそうでないのもどれも何十回と読み返していて、全部あらすじを諳んじれるほどだ。その中で、特に気に入っている、あんたが最後に書いたのを読んだ。めちゃめちゃエッチなやつ。すると少し元気が出てね、少し仕事が進んだよ! そのあと寝床に戻って、朝までぐっすり眠った。
こういうことは、一度や二度じゃないんだ。
原作じゃだめなんだ。あの原作はエロじゃない。オリジナルでもだめなんだ。そこにはあの原作はない。あの原作を読んで、あのとき狂気と幻覚を共にした、同志たるあんたの書いた推しカプじゃないと、わたしはもうだめなんだ。
あんたが自分の作品について悩んでるのも知ってる。義理深く優しいひとなんだなって思うよ。そんなあんたが書いた推しカプだからこそ、どんなにエッチな小説でも、そこにわたしは推しのふたりを見出すことができる。それはほとんど願いに似たものなんだ。