高校2年生のある秋の日の放課後、夏休みに国際交流をした生徒による報告会が開かれていた。
私はそれまで、ヨーロッパの国々に何カ国か、そして2週間ほどサンフランシスコの初心者向けの英語教室に通っていたことはあったが、国際交流には参加したことがなかった。勉強をしなければならないとか、部活の予定があるとかの言い訳を考え、どこかで参加してみたいと思いながらも、なんとなく避けていたからだ。そうした思いがあったから、どんな形でもいいから国際交流に関わりたいと思い、同級生の報告会を見に行った。その他にも自分の高校に留学してきたアフリカやアジアからの生徒の発表会なども見に行き、ついに翌年の春、ヨーロッパのある国との国際交流に参加することが決まったが、あの厄災のせいでそれも叶わぬ夢となった。
中学2年生の時に、ろくに英語も話せないのに2週間もアメリカにホームステイをしたのが考えられないほど、高校生の私は臆病になってしまっていたのだろうか。高校生もまだ若いとはいえ、中学生の無知で、無責任な身軽さ、そして活力は素晴らしいものだと改めて思う。
要約「私は恵まれて育った」