当方ブラック研究室の大学院生。この数ヶ月コロナで自粛のためひたすら家で過ごしていた。
そうやって過ごしているうちに自分の本当の気持ちに気づいてしまった。
成長やら生産性やらキャリア形成やら他者貢献やら心底どうでもいい。
ただ毎日ダラダラして家族と一緒に過ごせればそれ以上の幸せは無いのだと。
私はそれは優秀な学生であった。
学業に勤しみ、実験の腕を磨き、日々成長して邁進していればその先に素晴らしい人生があると信じて疑わなかった。
しかしどんなに優秀な学生であったところで、それは優秀な奴隷への道でしかなかったのだ。毎日自分の労力と時間を切って渡す。そんな日々に私の求める本当の幸せがあるととても思えなくなってしまった。
毎日家の中で自由に過ごし、家族とともに食事をとる。毎日好きな時間に起きて寝る。
この至上の幸福をこの先どのように守っていけばいいんだろう。
もうすぐ夜が明ける。また研究室に行かなくちゃならない。
嫌だなぁ。
早く大企業のメーカーに行って、結婚するのが一番よさそう。 (進捗に追われることなく、いい感じに頭のいい人が周りにいて、それなりに休めるので。) ……そこから向上心を拗ら...