2020-03-31

挨拶としての「お疲れ様です」について

最近、というかこの数年、私の周囲では、廊下で誰かとすれ違う時に「お疲れ様です」ということが多い。職場だけでなく、たとえば近所の道やマンション廊下で顔見知りの人に会ったときに思わずお疲れ様です」という言葉がお互いの口をついて出る。「お疲れ様です」が、「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」にとって代わる万能の挨拶として認められているような気がする。

私が覚えているかぎりでは、「お疲れ様です」は職場挨拶、つまり被雇用者うしの挨拶としてはじまった。別にそんなに親しくもないが、普段顔を突き合わせて一緒に働いている人たちにとっては、形式化したねぎらいのことばが挨拶になるのだろう。

だが、マンションで同じ階の人や、同じ町内会の人とは別に一緒に働いておらず、私は彼らの労ををねぎらう必要はない。それでも思わずお互いに「お疲れ様です」という言葉が口をついて出る。これは何なのだろう。それほど親しくないが円滑にやり過ごしたい人間関係は、被雇用者うしの人間関係ベース運用するのが適切だ、という暗黙の了解がお互いの間に成り立っているので、「お疲れ様です」が一般的挨拶として機能するようになってきたのかもしれないと思っている。

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