2019-12-26

エレファント・モレインA79001

レジ前にある元気ドリンクを全部買い占めて順番にラッパ飲みすると、心臓からジンワリと博多の風が吹いてきた。時速140キロ景色が後ろへ遠ざかる。耳、鼻、口、身体中のすべての穴から祝福の歌声が鳴り響く。カンカンカンカンカンカンカンカンカンカン!みんな仏罰が下ればいい。カンカンカンカンカン!ひとり残らず仏罰が下ればいい。カンカンカンカンカン!残りのレシートは全部ポッケットに押し込んで、帰りのボタンを押した。「さすれば汝は如何様にも処せよう」分かります。その気持ち痛いほど分かりますナフコ駐車場に大の字で寝そべり、夜空を見上げるとキラリと光る流れ星が見えた。これには見覚えがある。これはきっと、エレファント・モレインA79001に違いない。いてもたってもいられなくなり、即座に電話した。「もしもしもしもし、僕はドラえもんですか?」 電話から否定とも肯定とも取れる曖昧な返答が返ってきた。気を取り直してもう一度電話をかける。「もしもしもしもし、僕はドラえもんですか?」今度は返事がなかった。黙認、ということだろう。今日から僕はドラえもんだ。誰も否定する者はいない。今これを読んでいる貴方を除いて。

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