何年か前まで、土曜日の夕方は『もしもツアーズ』が定番だった。
柳原可奈子の声を聞きながら夕日のさすキッチンで料理する。
料理と言ってもスクランブルエッグにスパムを入れて炒めたようなやつだ。
これがうまいんだよな。
料理してると、退屈した猫が調味料の棚に飛び乗って顔を擦り付けてくるのがまた楽しい。
もしツアを見ながら食べる夕飯は楽しくて美味くて最高だった。
それから病気になった。癌だ。
治療しながらの一人暮らしは無理で、実家に帰る事になった。
丁度時を同じくして父が指定難病を発症した。
猫は歳を取って死に、父も5年の闘病生活を経て他界した。
今、土曜日の夕飯を作るのは年老いた母だ。もしツアを見ながら食べる事もない。
この前、ふと思い出してもしツアを録画してみた。
深夜に一人で見るもしツアは全然面白くなかった。
なんでだろう。平愛梨が出てないからなのか。
あんなに楽しかったのに、どこが面白かったのかもう思い出せない。
連休後半、ふと思い出して書いてみた。
猫の額の感触と匂いが懐かしい。
Permalink | 記事への反応(1) | 19:01
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あったかくて、素敵な思い出。 これからの増田さんの人生の心の糧となる。