義理チョコが配られたりもしたけどバレンタインのことなんて3秒くらいしか頭に浮かばない一日。
そんな日だけどカフェに寄って読書をしていくという日課は欠かさなかった。
とてもきれいな店員さんがいて向こうもよく来る客だというちょっとした認識くらいはあるだろうけど、別にチョコを貰えるなんてそんなおこがましいことは考えるわけがない。
いつも通り閉店間際まで居座り、数人いる店員さん達があちこち掃除や片づけに散らばっている頃。
例の店員さん。手には小さい箱。
予想だにしない展開に、あたふたしすぎて何を喋ったかあまり覚えていない。
「いつも来てるから」とか「突然ごめんなさい」なんて言っていた気がする。