小さい時、切り分けられたのを、種をとりたくて、細いスプーンの先で、ちょいちょいしてたら、
「🍉嫌いなんか?お父さんにちょーだい嫌いなら。勿体ない!」
父が大好物なの知ってたので、少しあげたら大喜び。
父は6人兄弟の3番目なので、のんびりしていると、取り分が減るという経験をしているらしい。
私は兄妹もいないし、特に人のおさらのものまで興味を持ったことがまるでない。
それからちょくちょく父にあげることになり、
そうするうちに、コープで「ひとりじめ」という🍉を通販していた。
届いたら冷蔵庫に入れるんだけど、
他に何があっても勝手に食べたりしない父が、🍉だけは
勝手にみつけて、切り分けて食べている姿をよく見た。
時々私にも切ってくれるんだけど、
たいがい断っていて、要らないというと、父の顔がぱっと明るくなる。
そんなに🍉すきなんだな。
だんだん面倒になってきて切り分けるとき母と父だけにするようになってしまった。
嬉しそうに食べてくれるし。種とるの面倒だし。
母の見まいに私が行く間、TVを見ながらひたすら好物を食べていたんだろうな。
何もしない父が、🍉を一人で食べる罪悪感からか、流石にお皿は洗ってあったと思う。
桃のほうが好きなんだけど、年に一度買えたらいいほう。
とにかく🍉の夏。