水・電気・ガスをどの程度使うと何円かかるのか、パン1枚がいくらで、マーガリンを塗ると何円かかるのか計算して生きているような子供だった。
なるべく金をかけないで生きていこうという意識が常にあった。
外食に行くと、私が食事することでいくらのお金がかかるのか、ダイレクトに突きつけられるので嫌だったのだが、一番嫌いだったのは焼肉だった。
あれは食べれば食べるほどにバカみたいな金がかかる。殊更嫌だったのは、家族が無遠慮に食べたいだけ食べることだ。
我が家の借金を作った張本人である父は、借金のことなどお構いなしに食べたいものを注文していく。小食なので、食べきれなかった分を私などの他の家族に押し付けてくる。それがたまらなく嫌だった。
一方私は、「一人前」以上の注文をすることはなんだか許されない気がして、カルビ1人前とライスを大盛で頼むのだ。(押し付けてくる分を考慮しておかなければならないということもある)