私の実家で初めて恵方巻を食べたのがいつだったか思い出せないが、25年ほど前には既に毎年食べる習慣があった。
スーパーのチラシに「今年の恵方は南南東」などと載り、今年は半端な方角だけど年によってはわかりやすい方角になるのかな?などと思ったものだ。
恵方を向いて話をせずに一本食べきるのが一般的な作法とされたが、私の実家では最初の一口だけ恵方を向いてかじり、その後はテーブルに向かって話をしながら食べていた。
現在、私は東京で一人暮らし。年中行事を気にすることは少なくなり、豆まきも恵方巻もやっていない。
一方で地元に残って結婚した姉の家庭では、毎年手作りの恵方巻を姉の子供たちと食べているようだ。
伝統というのがどういうものか、私には詳しくはわからないけれど、
子供の頃に経験して楽しかった年中行事を、大人になってから自分なりにアレンジしつつ行って、次の世代の子供たちと楽しむ、ということを繰り返して、伝統は後世に伝わっていくんだろうな、などと考えた。