具体的にいうと一緒にいるところを見るのが好きだ。
まあ、理由はろくでもなくて、単に男性側に感情移入できるからだが。
何の拍子にそう思うようになったかはなんとなく分かっていて、
片思いを片思いのまま終わらせたあのときからそう思うようになったのだと思う。
勝手に好きになり、話したこともないのに夢の中で話をするなどし、
そんなこんなしている間に知人が彼女と付き合い、二人が本当に楽しそうにしているところを見て、後に夢の中で二人の子どもがいるところを見た。
つらかった。が、考えてみると目的は果たせていたのだ。
そもそも彼女が楽しそうにしているところを見るのが目的だった。
俺は叶えられなかったが、知人はそれを叶えてくれた。
知人と付き合っている彼女は本当に楽しそうで、これが見たかったのだと、勝手に悶えるなどしていた。
他のカップルに目を向けてみる。
これまた最高だった。喜んでいるのは赤の他人なのに、こうも嬉しいことがあるものなのか。
そんなこんなしてのめりこんでいった。のだと思う。
まあ、その場にいたら見るぐらいで、追ったりするほどではないが。
男性側がうまくやっているのだ。
付き合っている彼女に対して俺にはできない良い反応をしている。
女性をエスコートする側だろうと、女性にエスコートされる側だろうと、いずれでもなくてもだ。
まず女性と付き合って街を歩ける男性と最初に剪定しているのだから、まあこうなる。
見るそれはまるで人生のRTAのようで、けれど俺は何も努力をしていないのだ。
楽しい部分だけを労力を経ずに味わっている。
盗人のようで、ほんとうにろくでもない。
こんなだから付き合えないんだと思う。
だが、それとは関係なく、どうか、うまくやってほしいと願っている。
どうか、今日も存分に楽しんでいてほしい。