若い衆をたくさん養っていたので、毎食ご飯を炊いておかずを用意する。残り物で済ませるということがない。
祖母は「冷や飯を食べたことがない」「(祖母の認識ではおかずがないときに作るものだから)味噌汁は食わず嫌い」なことを自慢していた。
若い衆たちが配給の権利を残したまま出征したことと、若い衆の実家(近隣の農家)から食べ物をわけてもらえたことで、戦争中食べ物に困ったことはないらしい。
話を盛るタイプの祖母だったので、どこまで本当かわからないのだが、食べ物に苦労したことがないことだけは本当なんだと思う。
そんな祖母の語る東京大空襲は、死体が浮いた川の水を飲んだみたいな定番エピソードも出てくるのにまったく真に迫らずのんきなものなのだ。